平成28年度学校いじめ防止基本方針
雫石町立御明神小学校
いじめの防止等のための対策に関する基本的な考え方
1 いじめの問題に対する基本的な考え方
いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、不登校や自殺などを引き起こす背景ともなる深刻な問題である。また、最近のインターネットを介した、いわゆる「ネット上のいじめ」は、いじめを一層複雑化、潜在化させている。
いじめの問題は、学校が一丸となって組織的に取り組むことを第一義とし、家庭、地域、及び関係機関等の協力を得ながら、社会総がかりで対峙することが必要である。また、いじめの問題の解決には、児童にいじめを絶対に許さないという意識と態度を育てることが大切である。
こうした中、本校は、学校教育目標に掲げる「豊かな心」を育むことにより、いじめを生まない環境を築くとともに、すべての児童がいきいきとした学校生活を送ることができるよう教育活動を推進する。そのために、校長のリーダーシップのもと、全教職員がいじめの問題に対する感性を高め、組織的にいじめの未然防止、早期発見・早期対応に取り組む。
2 いじめの定義
「いじめ」とは、児童生徒に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 (インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった 児童等が心身の苦痛を感じるものを言う。(いじめ防止対策推進法第2条)
3 いじめの基本認識
(1)いじめは人権侵害であり、いかなる理由があっても許される行為ではない。
(2)いじめは人間関係のトラブルを機序としているため、いじめられた側及びいじめた側の両方の児童、並びにそれを取り巻く集団に対し、適切な指導と支援が必要である。
(3)いじめは教師の児童観や指導のあり方が問われる問題である。
(4)いじめは家庭教育の在り方に大きな関わりをもっている。
(5)いじめは学校、家庭、地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、一体となって取り組むべき問題である。
(6)いじめはその行為の態様により、暴行、恐喝、強要等の刑罰法規に抵触することがある。
いじめの未然防止のための取組
1 教職員による取組について
(1) 学級や学校が児童の心の居場所となるよう配慮し、安心・安全な学校生活を保障するとともに、児童が互いのことを認め合ったり、心のつながりを感じたりする「絆づくり」に取り組む。
(2) 自己有用感や自尊感情を育むため、児童一人一人が活躍し、認められる場のある教育活動を推進する。
(3) すべての教師がわかりやすい授業を心がけ、基礎基本の定着を図るとともに、学習に対する達成感・成就感をもたせる。
(4) 児童の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人間関係能力(の素地)を養うため、全ての教育活動を通じて、道徳教育及び体験活動等の充実を図る。
(5) いじめ防止の重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な処置として、道徳、学級活動等の充実に努める。
(6) 保護者、地域住民及びその他関係者との連携を図りつつ、いじめ防止に資する児童が自主的に行う児童会活動に対する支援を行う。
2 児童に培う力とその取組
(1)自分も他人も共にかけがいのない命を与えられ、生きていることを理解し、他者に対して温かい態度で接することができる思いやりの心を育む。
(2)学級活動や児童会活動などの場を活用して、児童自身がいじめ問題の解決に向けてどう関わったらよいかを考え、主体的に取り組もうとする力を育む。
(3)学級の諸問題について話し合って解決する活動を通し、望ましい人間関係や社会参画の態度を育てるとともに、違いや多様性を越えて合意形成する言語能力の育成を図る。
(4)「心とからだの健康観察」を活用した心のサポート授業等をとおして、児童一人一人のセルフケアやストレスマネジメントの力を高める。
3 いじめの防止等の対策のための組織
本校は、いじめ防止等を実効的に行うため、次の機能を担う「いじめ対策委員会」を設置する。
(1) 構成員
校長 副校長 教務主任 生徒指導主事 研究主任 養護教諭
特別支援コーディネーター (全職員)
(2) 取組内容
・ いじめ防止基本方針策定、年間指導計画の作成(道徳教育の全体計画への位置づけ)
・いじめにかかわる研究会の企画立案
・未然防止、早期発見の取組
・アンケート及び教育相談の実施と結果報告(各学級の状況報告等)
・いじめ防止にかかわる児童の主体的な活動の推進
(3) 開催時期
月1回を定例会(職員会議時)とし、いじめ事案の発生時は緊急開催し、事態の収束まで随時開催とする。
4 児童の主体的な取組
(1) 児童会による子どもまなびフェスト「思いやりの言葉」に関する取組(いじめ防止につながる)
(2) 好ましい人間関係づくりをねらいとした児童会行事や取組
(3) 児童会による「明小のにじ」の募集と掲示、呼びかけの活動
5 家庭・地域との連携
(1) 学校いじめ防止基本方針を、学校通信に掲載するなどして広報活動に努める。
(2) PTAの各種会議で、いじめの実態や指導方針について説明を行う。
(3) 授業参観において、保護者や地域住民に道徳や特別活動等の授業を公開する。
(4) 学級懇談会等で話題とし、子どもについての情報交換や意識の啓発を図る。
6 教職員研修
いじめ防止等のための対策に関する校内研修を年間計画に位置付けて実施し、いじめ防止に関する教職員の資質向上を図る。
(1)いじめ問題に関する校内研修 年4回(4・6・9・11月)
(2)いじめ問題への取組についてのチェックシートによる自己診断 年1回(12月)
いじめの早期発見のための取組
1 いじめの早期発見のために
(1) いじめや人間関係のトラブルで悩む児童が相談しやすいよう、日頃から教職員と児童が信頼関係を築くように心がける。
(2) 日常の観察については、いじめの行為の発見だけでなく、児童の表情や行動の変化にも配慮する。(学級担任は、日記や生活ノート等も活用する)
(3) いじめは大人の見えないところで行われているため、授業中はもとより、休み時間、放課後においても児童の様子に目を配るよう努める。
(4) 遊びやふざけ合いのように見えるいじめなど、把握しにくいいじめについても、教職員間で情報交換をしながら発見に努める。
(5) いじめの兆候に気付いたときには、教職員が、速やかに予防的介入を行う。
(6) 地域や関係機関と定期的な情報交換を行い、日常的な連携を深める。
(7) 具体的なサインチェック表を活用する。 いじめられている児童の発する具体的なサインチェック表
場面 | サイン | チェック |
登校時 | ○遅刻や欠席が増える。また、その理由を明確に言わない。 | |
| ○視線が合わず、うつむいている。表情が暗い。 | |
| ○挨拶の声に元気がない。 | |
朝の会 | ○提出物の忘れが多くなる。 | |
| ○健康観察の声が小さく、元気がない。また、視線が合わない。 | |
| ○体調不良を訴える。 | |
授業中 | ○教科書や文房具などの忘れ物が目立つ | |
| ○教科書やノート、机などに落書きをされている。 | |
| ○発言が笑われたり、無視されたりする。 | |
| ○机を離される。 | |
休み時間 | ○一人でいることが多い。 | |
| ○会話に入れてもらえない。 | |
| ○持ち物がなくなったり、いたずらをされたりする。 | |
給食中 | ○特定の仕事をやらされ続ける。 | |
| ○机を離される。 | |
| ○給食の量が少ない。 | |
放課後 | ○持ち物がなくなったり、いたずらをされたりする。 | |
| ○慌てて下校をする。または、用もないのに学校に残る。 | |
| ○一人で下校をする。 | |
?指導部18?
いじめている児童を発見する具体的なサインチェック表
サイン | チェック |
○グループを作って仲間同士で集まり、ひそひそ話をしている。 | |
○ある児童にだけ、周囲が異常に気を遣っている。 | |
○グループで会話をしていても、教職員が近付くと、不自然に散らばる。 | |
○自己中心的な言動が目立ち、グループの中心的な存在の児童がいる。 | |
○教職員や他の児童に対する言葉遣いが悪くなる。 | |
学校内での具体的なサインチェック表
サイン | チェック |
○嫌なあだ名が聞こえる。 | |
○席替えなどで特定の児童と近くの席になることを嫌がる児童がいる。 | |
○何か起こると特定の児童の名前が出る。 | |
○壁などにいたずらや落書きがある。 | |
○机や椅子、ロッカーなどが乱雑になっている。 | |
家庭内での具体的なサインチェック表
サイン | チェック |
学校での出来事や友だちのことを話さなくなる。 | |
友だちや教職員、クラスの不平・不満を口にすることが多くなる。 | |
朝、起きなかったり、登校をしぶったりする。 | |
友だちからの誘いを断ることが多くなる。 | |
遊ぶ友だちが急に変わる。 | |
部屋に閉じこもったり、家から出なくなったりする。 | |
理由のはっきりしない衣服の汚れがある。 | |
理由のはっきりしない打撲や擦り傷がある。 | |
体調不良を訴えることが多くなる。 | |
食欲不振・不眠を訴える。 | |
学習時間が減る。 | |
成績が下がる。 | |
持ち物がなくなったり、壊されたり、落書きされたりしている。 | |
家庭の品物や金銭がなくなる。 | |
2 いじめアンケート及び教育相談の実施
いじめを早期に発見するため、児童や保護者からの情報収集を定期的に行う。
(1) 児童を対象としたアンケート調査 年4回(4月、6月、9月、11月)
(2) 保護者を対象にしたアンケート調査 年2回(7月、12月)
(3) 全児童個別面談とそれを生かした期末保護者面談 年3回(6月、10月、11月)
アンケート調査 → 担任による個別面談(全員)
↓
関係児童への聞き取り等(迅速に、個別に、複数で)
↓
事実関係を把握し報告(生徒指導主事→副校長→校長)
(緊急性のあるものは直ちに教職員で共有)
↓
指示のもと処理 対応カード記入
3 相談窓口の紹介
いじめられている児童が、教職員や保護者に相談することは、非常に勇気がいる行為である。いじめを大人に打ち明けることによって、場合によっては、いじめがエスカレートする可能性があることを十分に認識し、その対応について細心の注意を払うこととする。いじめの兆候を発見したときは、関係する教職員で迅速に情報を共有し、適切な対応を行う。
本校におけるいじめの相談窓口を下記のとおりとする。
児童及び保護者からのいじめ相談窓口 | 本校全教職員 019-692-3204 |
地域からの相談窓口 | 本校副校長 019-692-3204 |
雫石町設置相談窓口 | どんぐり広場 019-692-0611 |
岩手県教育委員会設置相談窓口 | 24時間いじめ相談電話 019-623-7830 |
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いじめ問題に対する早期対応
1 いじめに対する措置の基本的な考え方
(1) いじめを発見したり、通報を受けたりしたときには、特定の教職員が抱え込むのではなく、速やかに組織的な対応をする。
(2) いじめられている児童及びいじめを知らせた児童の身の安全を最優先に考えるとともに、いじめている側の児童には、教育的配慮の下、毅然とした態度で指導にあたる。
(3) いじめの問題の解決にあたっては、謝罪や責任を問うことに主眼を置くのではなく、社会性の向上等、児童の人格の成長に主眼を置いた指導を行うことを大切にする。
(4) 教職員全員の共通理解のもと、保護者の協力を得て、関係機関・専門機関と連携し、対応にあたる。
2 いじめの発見・通報を受けたときの対応
(1) いじめを発見したときは、その場でいじめの行為を止めさせ、事実関係を明らかにする。
(2) いじめを発見したり、通報を受けたりしたときは、速やかに「いじめ対策委員会」を開催し校長以下すべ ての教員の共通理解のもと、役割分担をして問題の解決にあたる。
(3) いじめの事案について、生徒指導の範疇で対応する事案であるか、警察への通報を要する事案であるかを適切に判断する。
(4) いじめられている児童や保護者の立場に立ち、関係者からの情報収集を綿密に行い、事実を確認する。
(5) いじめの事実が確認された場合は、いじめをやめさせ、その再発を防止するため、いじめを受けた児童及びその保護者に対する支援と、いじめを行った児童への指導とその保護者への助言を継続的に行う。
(6) いじめを受けた児童が学校生活に不安を抱いている場合、複数の教職員で見守りを行うなど、いじめられた児童の安全を確保する。また、いじめられた児童が安心して教育を受けるために必要があると認められるときは、保護者と連携を取りながら、一定期間、別室等において学習を行わせる措置を講ずる。
(7) いじめを受けた児童の心を癒すために、また、いじめを行った児童が適切な指導を受け、学校生活に適応していくために、養護教諭と連携を図りながら、指導を行う。
(8) 教育上必要があると認めるときは、学校教育法施行規則第26条の規定に基づき、適切に、児童に懲戒を加える。
3 いじめが起きた集団への対応
(1) いじめを見ていた児童に対して、自分の問題として捉えさせる。
(2) 学級等当該集団で話し合いを行うなどして、いじめは絶対に許されない行為であり、当該集団から根絶しようとする態度を行き渡らせる。
(3) 全ての児童が、集団の一員として、互いを尊重し、認め合う人間関係を構築できるような集団づくりを進めるよう、教職員全体で支援する。
4 警察との連携
犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては、当該教育委員会及び所轄警察署と連携して対処する。
5 ネットいじめへの対応
(1) インターネット等を通じて行われるいじめを発見したり、通報を受けたりした場合は、「いじめ対策委員会」で情報を共有するとともに、被害の拡大を避けるため、当該教育委員会と連携し、プロバイダなどに情報の削除を求める。
(2) 児童の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときには、直ちに所轄の警察署に通報し、適切な援助を求める。
(3) インターネットへの利用環境についいて、パソコン、携帯電話やスマートフォン等
が大部分であることから、家庭の協力を得る。
重大事態への対処
1 重大事態とは
(1) いじめにより当該学校に在籍する児童の生命、身体または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
(2) いじめにより当該学校に在籍する児童が相当期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
2 重大事態の報告
(1) 学校は重大事態が発生した場合、速やかに学校の設置者(当該教育委員会)に報告する。
(2) 児童からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときは、重大事態が発生したものとして対処する。
3 重大事態の調査
○ 学校が調査の主体となる場合
設置者の指導・支援のもと、以下のとおり対応する
(1) 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査については、本校の「いじめ対策委員会」が中心となり、全職員体制で速やかに行う。
(2) 調査の際には、重大事態の性質に応じて、適切な専門家を加えるとともに、いじめ事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない第三者の参加を図り、調査の公平性・中立性を確保する。
(3) 調査においては、いじめの事実関係を可能な限り網羅し、明確にする。特に、客観的な事実関係を速やかに調査する。
(4) 調査結果を学校設置者に報告する。
(5) いじめを受けた児童及びその保護者に対し、調査によって明らかになった事実関係について、計画報告を含め、適時・適切な方法により情報提供する。
(6) いじめを受けた児童及びその保護者の意向を配慮したうえで、保護者説明会等により、適時・適切にすべての保護者に説明するとともに、解決に向けて協力を依頼する。
(7) 「いじめ対策委員会」で再発防止策をまとめ、学校を挙げて取り組む。
○ 学校の設置者(当該教育委員会)が調査の主体となる場合
設置者の支持のもと、資料の提出など、調査に協力する。
学校評価
いじめの把握及びいじめに対する措置を適切に行うため、次の2点を学校評価の項目加え、適正に自校の取り組みを評価する。
○ いじめの未然防止にかかわる取組に関すること
○ いじめの早期発見にかかわる取組に関すること
その他
1 校務の効率化
教職員が児童と向き合い、いじめの防止等に適切に取り組んでいくことができるようにするため、校務分掌を適正化し、組織体制を整えるなど、校務の効率化を図る。
2 地域や家庭との連携
いじめ防止等にかかわる方針及び取組について、保護者及び地域に公開し、理解と協力を得る。
また、より多くの大人が児童の悩みや相談を受け止めることができるようにするため、
学校と家庭、地域が組織的に連携・協働する体制を構築する。